木村 幸愛 Yukie Kimura 1978年大阪府生まれ ガラス作家
見ているだけで笑顔になれるようなガラス作品を作っていきたいです。
子供が遊び方も知らないのにきらきらのビー玉に興味を奪われるような、お気に入りのおもちゃに囲まれているような幸せな感覚、大人になってもそんな感覚に浸れる時間が多ければ良いと思います。子供がまくらもとに置くぬいぐるみのような、そんな存在になれたらいいなという気持ちです。
小さい頃はよく、夜が恐くて泣いていました。お母さんもとなりで寝ている妹も、どんどん遠くに離れていって、自分だけひとりぼっちになったような気がして、母親が寝ている横で体を小さくかがめて座りながら泣いていた時期がありました。17歳でガラスに初めてさわりましたが、最初の頃のテーマは、自分が小さいときに感じたその「孤独感」でした。
でもある時期から、そんな孤独を表現するよりも、自分が作る作品でそんな孤独が無くなればいいと思うようになりました。自然と笑顔になれるようなものが作れれば、孤独を表現する必要なんて無いと思ったのです。
ガラス作品を創ればつくるほど、世の中から孤独がなくなると信じて、今日も灼熱の真っ赤なガラスと格闘します。